切り文字でネーム入れ
MDを持たないビルダーが、いつも悩むネーム入れ。今まではテプラが一番いいんと違う?と思っていたけど、もいっちょ「切り文字」という可能性があるので、これについても実験してみようというわけでやってみました。
一般的には切り文字は、看板作りで使われ、機械はプロッターと呼ばれる、カッティングマシンを使って行われます。他にも、車屋で、「新型ハイブリット」なんかの切り文字がガラスに貼られていますよね。あーゆーのも看板屋の請け負う仕事です。「MD以外の可能性」でクラフトロボというカッティングプロッタが出てきましたが、あれの大型精密バージョンです。
で、このカッティングプロッターですが、市販用のクラフトロボだと、文字の内部を認識しないらしいので、ビルディングで使うような小型精密ネームは作れないと思われます。超小型の文字でも漢字のややこしい部分を忠実にくり抜いてくれるレベルの機械が必要になり、そうすると、業務用の印刷機械の出番となります。んが、この印刷業界ってのは、ホント、あほほど機械が高いので有名で、1千万は当たり前にする初期投資泣かせの業界です。代表的なブランドでローランドと言うのがありますが、まぁ・・・・うん千万ですよ・・・。なお、ローラーンドイメージというメーカーから、スティッカというカッティングプロッターが3万くらいで出ていますが、これもクラフトロボと同レベルのニオイがするので、細かい文字の切抜きが出来るかどうかわかりません。
んで、確実なのが、看板屋に印刷データを送って、切り文字を作ってもらうことです。ネットで調べてみると、カッティングシート請負業者がスグに見つかります。
http://www.kiruharu.com/font.html
いわゆる、こういう看板屋に製作依頼をすれば一撃だと思います。値段も、大きくなればなるほど高い感じなので、ビルディング用ステッカーなんかは、400円もあれば出来てしまいます。送料入れたって、デカールを依頼するよりははるかに安く出来るはずです。ちなみに、マタギのネームMD代行サービスだと、1枚2000円だそうです。高い。
で、私はというと、県内の看板業者に相談して、作ってもらいました。1枚350円。
。ちなみに、県内の業者をチョイスしたのは、工場見学で、実際に作っているところを見せてもらうつもりだったからです。工場の中は、看板に貼るシールをセンターにあわすために製図みたいな機械がおいてあったり、でかい機械だったりで、カッティングプロッターは、ちょっと奥のこぎれいな室内にありました。で、作っていたのが、工事現場に貼る、「通行注意」のカット文字でした。それを黒い看板の真ん中に貼って出荷。と言う感じです。その看板屋の使っていた機械が、我らがクラフトロボのメーカーである「GRAPHTEC」製でした。
http://www.graphtec.co.jp/site_cutting/gl/fc8000/index.html
これによく似ていました。インクジェットプリンターではカートリッジがいったりきたりしますが、そのカートリッジみたいなのが機械の右上のほうに見えますが、このカートリッジの先にレコード針のようなものが付いており、これでシールをカットするみたいです。作ろうとするシールの厚みに合わせて、このレコード針を変えて、対応するみたいです。また、そのレコード針の上には、オペレーションが付いており、この液晶でナンボか調節も可能だそうです。
兎に角
出来たシールがコレ。毎度おなじみ、「讃岐の夢」シールです。転写シートに貼られた状態で納品って感じです。
早速貼り付けてみます。おおっと!?後から気づいたけど、この時点で、ごんべんが一箇所かけとるがな!剥がすとき要注意です。
適当なブランクに貼り、親指で押し付けて密着させます。
そして、転写シールを剥がします。この時、鋭角にめくっていかないと、肝心の文字が転写シートに付いたまま、のきません。
剥がすときも、油断すると、こんなになるので、ここでも要注意です。
そして、剥がせば終わり!慣れれば、ものの10秒!!!これはゴン辺が外れたので、貼りなおしましたw
なんと簡単な作業でしょうか。デカールにありがちな。
「あっ!シワになってしもた!」
「あっ!斜めになったのを修正してたら破けた!」
「あっ!乾いたらシワシワじゃぁ!」
「あっ!コーティングでデカール溶けた!」
なんちゅう失敗も皆無。わずか10秒もあれば失敗なく貼れる、むっちゃやりよいシールだがね♪
そして驚くべきはその品質。
ネーム入れで苦労した人間なら分かるこの品質!こんなにキレイなネームを見たことがありますか!?発色のアラが一点もなし。透ける要素もゼロ。なんせ、もともとは1枚のシール。発色はすべて均一で、ばりばりの下地隠蔽性。黒下地に、白文字なのに、むちゃくちゃコントラストついとるがな〜!しかも、四角いシールに印刷されるのではなく、文字のみ貼り付けるので、うっすらと四角いスミが見えるようなことはゼロ!
こりゃ、MDが逆立ちして逃げますよ。それくらい美しいです。
MDは印字のズレとかゴーストが弱点とされており、よーく見てみると文字のエッジのベジエ曲線が甘く、ギザギザになっています。
これはカタダの東京眼張行脚で、ホライズンにMD5500で作ってもらったデカール。比較のために、横に張ってみました。まず、白の発色が全然違います。切り文字のほうが、圧倒的にコントラストが鮮やかに出ています。MD文字は、黒下地に塗っている分、やはり、白フィルムの透過性が出ていますね。フィルムである以上、ナンボか透ける要素があるちゅうことです。隠蔽性の違いから、発色は切り文字にはかないません。
また、これはMDの文字をドアップで写したものです。文字のエッジがギザギザになっているというか、ウネウネしているのが見えますかね?それとどうしても消えない四角形のシールの跡。コーティングすると隠れますが、よーーーーーく見ると、スミが見えます。
こちらは切り文字。エッジのウネウネは一切ありません。ものっそキレイで優雅な曲線を描いています。ま、遠めで見れば、MDも切り文字も変わりませんが、ちかーーーくから見ると、その違いは一目瞭然です。やはり、カッターで切っているプロッター製シールの場合、カッティングが連続的にやられていると言うか、ウムを言わさぬ曲線美を放っています。文字の見た目では、圧倒的にカッティングステッカーに軍配が上がると思っていいと思います。
そしてコーティング。
今回は、新型エポキシの実験も兼ねて、日進レジンのクリスタルレジンUでやってみることにしました。
コーティングに入ると・・・・
おお・・・。
弾く弾くorz
シートの上には全然エポが乗っとらんがね。
なんせ、足付けしてない上に、エポがサラサラだきん、全然乗らん。
こりゃちょっと難しいかも。
こりゃ、ネームコーティングはやっぱり、ライトフォーミラがいいがね!と思い、ライトフォーミラで挑戦。
で、やってみたけど、これもひどいな・・・。
まぁ、足付けしてないきん、しょうがない部分もあるんだけど。まぁ、大事なのはこの後。
1200番ファブリックシートで足付けして、ライトフォーミラで再コーティング。
これもかなり厚めにコーティングしました。でも、まだデコボコしています。んが、こんなことは、エクボの処理(エポキシコーティング参照)で経験済み。
めげずに、3度目のコーティング行きますこれも1200番クロスで足付けし、再コーティング。
48時間後(LFは冬場は72時間。夏場は48時間で完全硬化いけます)。おおっと!デコボコは完全に修復され、表面はツルツル♪かなりいい透明度の中に、文字が浮き出ていますwこれは美しい!デカールみたいに、失敗したらシワが残るような出来も皆無!デカールでは実現できないシールの4角形のスミが浮き出ることも皆無!
個人のビルディングでこれだけ美しく、これだけ失敗が少ないネーム入れは、切り文字以外では実現できないのではないでしょうか。しかも、シールさえあればどんな色でもいけますので、金銀白なんかはもとより、ビックリマンみたいなホログラムネームだって出来る。多色印刷こそ出来ませんが、簡単!キレイ!安い!是非是非オススメしたいネーム技術です。
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